2019年8月15日木曜日

2019 剱岳 源次郎尾根

劔沢BCから

期日 2019/08/11~13
山域 北アルプス 剱岳 源次郎尾根
メンバー Tちゃん Mちゃん Kazu

 梅雨明けと同時に本格的な夏を感じ暑さがこたえる。

今年の夏休みはゴールデンウイークに続き暦の都合もあってか割と休めそうだ。

今回は劒沢をベースにしてあれこれ勝手に考えていた。

Tちゃんたちを源次郎に連れてい行く約束もあり、個人的にはチンネにも行きたい。
せっかく劔まで行くので欲がでる。

前半で源次郎、後半でメンバーを入れ替えチンネ。
なんとも贅沢な計画だ。

ただ、これは私の勝手な妄想だ。いつものことだが、私は山行計画をたてる前に嫁からの山行許可を得なければならない。これが毎回一番の核心となる。
しかし今回はなにやら嫁のご機嫌もよく予想外に安易に許可を取ることができた。


無事山行許可も得たことでメンバーに私の勝手な妄想計画を発表公開。
結果。私の思惑通りの山行計画が完成。

最近仕事が忙しくなかなか時間が取れない中で計画を詰め準備をし出発日を待つ。

毎度のことだが今回も出発日が近づいてくると台風が発生する。

しかも今回の台風は予想しずらい。

気象庁の専門家でも予想しづらい台風を私のようなにわか予報しかできないものが予想できるはずもなく日程を絞り切れない。

ギリギリまで我慢し結果的にはチンネはあきらめ前半は天気も良さそうなので源次郎だけに予定を変更し台風がやってくる前に山から尻尾を巻いて逃げ帰ることにした。
(結果的には15日まで天気は持ったのだが)

なので残念ではあるが後半組との山行は中止になった。
実はチンネ中止の理由は他にもあったのだが、、、。まぁそれは置いておこう。

08/11

Tちゃん達に迎えに来てもらい自宅を1時半に出発。4時少し前に立山駅に到着。
駐車場は予想以上の混雑ぶりだ。今回は常願寺川手前の河原にある臨時駐車場に何とか停めることができた。

車を停め、荷物の整理をし出発の準備をしているとTちゃんはさっそく自分の腕にでた鳥肌を私に見せてくる。「もうぎりっす」そう言って私とMちゃんを残し1人先にWCに向かい出発していった。

我々も準備を済ませ急いで後を追った。
少し歩くと心地よい風が吹き山の良いにおいがした。

立山駅に着くとケーブルカーのチケット売り場はよく混んでいた。

Tちゃんはチケット売り場の渋滞に並びもせずトイレの前ですっきりした顔で我々の到着を待っていた。

1時間ほど並びチケットを購入し7時30分発のケーブルカーと高原バスに乗って室堂についたのは8時30分過ぎだった。

室堂にはすでに多くの観光客と登山者でにぎわっていた。

素晴らしい天候、登山日和だw

雷鳥沢までは観光客に混ざり観光気分で歩く。

ミーハー写真その1

ミーハー写真その2

ここから見る雷鳥沢のキャンプ地のテントの数にちょっとビビるw。

まるでテントの見本市のような雷鳥沢キャンプ地を横切り浄土沢の分岐のところで小休止していよいよ登山に。

私のブログを読んでいただいている方はお分かりかと思うが正月のTちゃんのギックリに始まり2月の阿弥陀南稜はTちゃんインフル。5月のGWではMちゃんまさかのギックリ。
7月は私の勝手な山行のせいで毎年恒例の海の日プチアルパインは中止。
と、いうわけで2人にとってまともな山行は久しぶり。暑さのこともあり少し心配だ。

劔御前小屋を目指し雷鳥坂を登る。
天気が良いのは嬉しいことなのだが暴力的な日差しが半端ない。

Mちゃんは初めの宣言通り立派にヘタレる。Tちゃんも。
とはいえ、久しぶりのテント泊山行(宴会装備付き)その上にこの暑さでは無理もない。

Tちゃんは病気なんじゃないかと思うほどの汗をかいていた。

御前小屋までもう少し

それでもコースタイム程度でたどり着く。
小屋前でしばし休憩。

劔御前小屋前

御前小屋を過ぎれば劔の本峰が目の前に現れる。
その圧倒的存在感にしばし心を奪われる。

ミーハー写真その3

劔本峰を前にテンションが上がり先ほどまでの辛さはすっかり忘れる。

ここから剣沢BCまではもうすぐだ。

劒沢BCも雷鳥沢に負けないほどのテントの数だ。
なんとか並んで張れる場所を探し幕営の準備に取り掛かった。

劒沢キャンプ場

ザックを開けてテントを取り出す。
テントポールを袋から取り出すとなにやら違和感を覚える。

今回、私が持参したテントはアライ。持参したポールは何故かモンベル?
毎回良い感じで現れてくれる『うっかりさん』は今回も健在だ。

それでも試行錯誤の末なんとかそれっぽくテントを張ることができた。
ただしダブルウォールのテントとしての機能は失ってはいたがw

一通りの準備が済み時刻は1時過ぎ。
暇(我慢できない)なので下の酒屋にビールを買いに行くことに。

そのままテントまで戻ることも我慢できずその場で乾杯。

こんな場所で飲めばうまいに決まっている。

ミーハー写真その4

ミーハー写真その4-2

ここからの景色とビールをしばらく楽しみ、その後テントに戻り宴に突入。
昨晩は、ほとんど寝ていないので19時過ぎに睡魔に負ける。

Tちゃんは少しだけ横になりますとテントに入っていったがそのまま永眠してしまった。
もちろん私もすぐにあとを追った。

シュラフに入って目を閉じると近くのテントの人たちの会話が耳に入ってくる。
断っておくが決して聞き耳を立てているわけではない。

やはりここは超メジャーな場所。
色んな方々がいらっしゃる。

別に上からの目線でどうこう言うつもりはないのだが、、、。

梅雨明けしてから8月の1週目までに北アルプス全域で起きた遭難事故件数は24件とか。
周囲の人たちの会話を聞いているとこの数字にも納得してしまう。

私がどれほどの者かと問われれば素人に毛の生えた程度の実力しかない。
その私から見ても初心者レベルを抜けていないような人が全くの素人を連れて山に入る。

翌日の行程の話をしていたのだが説明がもうめちゃくちゃだ。
聞いているほうも全く理解しる様子はない。
そもそも、その話は山に来る前に話す内容なんではないだろうか?

以前から私はよく言っているのだが山で事故を起こせば自己責任では済まない。
山に行くこと自体は自己責任かもしれないがそれは第三者が言うセリフであって登山者当人が口にするべき言葉ではない。

道に迷ったり、怪我をしたりすれば多くの人に迷惑をかけることになる。
遭難者本人の意思とは無関係に迷惑をかけることになるのだ。

そんなことを考えていたら眠れなくなりそうなのだが私は物事をあまり深く考えられないタイプなのですぐに眠ってしまった。

08/12

AM3:30起床
あまり食欲がないのでコーヒーを沸かし飲む。
食事はゼリーだけにした。

AM4:30 源次郎尾根を目指し出発。


まずは劒沢雪渓に向かって歩く。

なのだが剣山壮の話をしながら歩いていたら何故か分岐を間違え剣山壮に向かって歩き出す。

劒沢小屋から少し下った場所で気づきあわてて戻る。
私は何事もなかったふりをして源次郎取り付きに向った。

2人は何も言わなかったが実は私は結構恥ずかしかった。もう少し突っ込んでくれた方が幾分かは恥ずかしさも紛れただろう。

真砂方面に下る

早朝の雪渓は良く締まっていてアイゼンが心地よく効く


雪渓にのれば平蔵谷はすぐだ。

平蔵谷を横断し取り付きに向かう。
有名な大岩も確認できる。

源次郎取り付き

アイゼンを外し、ハーネスをつける。

しっかりとしたふみ跡をたどり尾根ルートとルンぜルートとの分岐を目指す。
今回は尾根ルートを進むため正面の岩を登る。
ルンぜルートに向かう方向にもしっかりとふみ跡がついていた。

出だしが意外に悪い

岩登りの要素としては特に難し場所もなく完全に体力勝負のルートだ。
前半に登場する有名な木登りエリア(ジャングルクルーズ)なんて呼ばれているらしいが
とにかく面倒くさい。

私のザックが大きくて枝に捕まりまくる。

おてんばちゃんは楽しそうだ

木登りエリアを過ぎると初めに出てくる岩壁には人だかりができたいた。
この日もかなりのパーティーが入っているようだ。

とにかくすでに暑いので水分補給をしながら順番を待つ。


歩きに岩登りを少し混ぜたようなルートを酷暑の中進む。





第2岩峰に向かって進む

天候は良く景色も最高だ。それだけに日差しが暴力的だ。
もちろん贅沢な悩みだがもう少し雲が出てくれたほうが身体が楽になることは言うまでもない。




特にトラブルも無く面白い事件も起きないまま第2岩峰に到着。

岩登りが少ないのでちょっとルートから外れて登ってみた

正しいルートはハイマツ沿いに進む


このあたりからガスがわき始め多少視界は悪くなったが暴力的な日差しからは解放された。

そしていよいよ今回のルートの核心。2峰からの脱出。30mほどの懸垂下降だ。

TちゃんとMちゃんは先週近くの岩場で懸垂の復習をみっちりやってきた。
その効果もあり2人とも難なくこなす。

私が初めに降りコール。

次にMちゃんが降りてくるはずだったのだが何故かTちゃんが降りてきた。



Tちゃんは最後に1人残るのが嫌でMちゃんを言いくるめ先に降りてきたのだ。
もっともTちゃんも言っていたがMちゃんのほうが余裕があったのでこれはこれで正解だったのかもしれない。
まぁ。そのあたりは2人で話がついていれば私がとやかく言うところではない。

Mちゃん、プロっぽいなw

メインイベントも無事終了し残すは本峰まで標高差約300m。

こんな感じの場所もあるが残りはほぼザレ場だ


最後は例によってキツいかと期待していたが思ったほどではなくわりとあっけなく山頂に

13時00分 無事登頂

源次郎尾根。
プチアルパインには非常に良いルートだ。

尾根通しのルートでふみ跡も明瞭。迷うことも少ないと思う。
ただし、悪天候時、視界不良時はこの限りではないが、それはどこも同じ事。
技術的にも難しい場所はないが勿論ここはバリエーションルート。
最低限の体力、基本的な技術は確実にマスターしてから、もしくは信頼できるリーダーの元で挑戦してもらいたい。

さて、山頂での記念写真も撮り。特にすることもないのでさっさと下山する。

実は私にとってはここからが核心だ。

別山尾根。
長い。。。

カニの何とかを過ぎ平蔵の頭に登り返す。前劔からの降りで心が折れる。
長い。。


もうこのあたりから写真は誰も撮っていないので無い。

一服劔から見る剣沢BCはまだまだ豆つぶのようだ。

それでも帰らないと仕方がないので嫌々歩く。

やっとの思いで酒屋に到着。

源次郎尾根登攀成功と無事帰還を祝ってビールで乾杯!

テントに戻りやれやれだ。

朝の4時半にスタートして戻ってきたのは夕方の4時だった。

久しぶりの12時間行動。

待ち時間も結構あったのでコースタイム的にはこんなもんだと思う。

テントに戻り着替えて昨日の残りのお好み焼きとウインナーをMちゃんに焼いてもらう。
私とTちゃんは日中の暑さを考えると腐っていないか心配だったのだがMちゃんは心配ないという。

そういいながらMちゃんがウインナーを口にすることは無かった。

腐っていようがいまいが疲れ切った身体にはとても美味かった。

酒も肴もまだまだあるが、残念なことにおじさんたちの体力が持たない。

ふと隣を見れば某大学の山岳会の若者たちが大勢いた。

その会話を聞いていると食べ物に不満があるらしい。
我々の食材は余ることがすでに決定されているので声をかけた。

学生たちは「良いんですか?」っと嬉しそうにくいついてきた。
我々の明日の朝に必要な分だけ取り除き残りの全てを渡す。

嬉しそうに袋の中を覗き込む学生たち。
するとその中の1人が「これ酒のつまみばっかり!」という失言をw

そこはおじさんたちからもらう食材なんだから我慢してくれ。

そんな若者たちとの楽しいひと時も過ごしながらその日は終了した。

08/13

5時 起床
なんとなくダラダラ片付けをし8時撤収。

この日も朝から快晴で気持ちがよい。

下山前に最後の記念撮影をする。

ミーハー写真その5-1

ミーハー写真その5-2

幾分かは軽くなったザックを背負い御前小屋へ登り返す。

御前小屋前にはまだまだ多くの登山者がいた。

ここから雷鳥沢までの下が地味にしんどい。

背後からどこかの小屋番2人がものすごいスピードで降りてくる。
おそらくは歩荷の為の下山であろう。

面白そうなので付いて行ってみることに、私は自称下山家なので本気で降ると結構早い。
これには自信もある。

相手は空荷、しかも山のプロ。ジワジワと距離が離れる。
結局最後は見失う。しかしそのおかげで嫌な下山も少し楽しめた。

浄土沢でTちゃん達を待つ。

この場所もまたとても景観の良い場所だ。


ここから先は観光客に混じり長い階段を進むと室堂だ。

TちゃんもMちゃんも最後の気力を振り絞るように階段を進む。

2人ともかなり辛そうだ。

Mちゃんは『腿が爆発しそう』と訳のわからないことを言いながら歩いていた。
Tちゃんは只々無言。

私はというと前日どんなに疲れても一晩寝るとほぼ回復するという特技を持っているので問題は無い。しかし、Mちゃんはこの私の特技を『迷惑』という。

お昼前に室堂に到着。

観光客で混んではいたがまだお昼前なので帰る人は登山者だけだ。
バスにはすぐに乗ることができ1時には立山駅に帰ってこれた。

酷暑ではあったが、素晴らしい天候に恵まれた3日間。

やはり劔は素晴らしい山であることを実感できた。

今回も一緒に行ってくれた2人には感謝している。

そしてできることなら2人とももう少し岩登りを練習してそろそろプチアルパインから卒業してもう少し行く場所の幅を広げたいと思うので考えてみてくれ。

今回も夏山の超メジャーな山岳地帯に足を運んだがやはりレベルの低い登山者が目についた。それは技術的なことばかりではなく道徳的にどうかと思うような人も目についた。

私も人のことをとやかく言う前に自分自身の行いを振り返り他の人に不快な思いをさせないように改めて気をつけよと思った。

それでは今回はこの辺りで。

























4 件のコメント:

  1. お疲れさまでした(^^)/
    しかし暑かった~
    Tちゃんはもう脱皮始まった(笑)

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    1. 酷暑の中お疲れさまでした。
      私も脱皮中ですw

      削除
  2. 親方、Tちゃん、Mちゃん、お疲れちゃん!
    他の理由を聞きたい(笑)
    吞もまい。

    返信削除
    返信
    1. 呑もまいまいw
      私いつでもOK
      段取りよろしくWWW

      削除

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