2024年2月26日月曜日

錫杖岳 前衛壁 3ルンぜ


 期日 2024/02/24(土)

山域 北アルプス 錫杖岳 前衛壁 3ルンぜ

メンバー Kazu , くま , サトちゃん , タカ 計4名

 前週末に行った地獄尾根の疲れがなかなか抜けず、今週末は勝手に完全レスト日として嫁との攻防を制しソファーから一歩たりとも動かないで過ごせるかどうかという無謀なチャレンジをしてみようと思っていた。

 しかし、気がつけば世間は3連休。天気予報を見ると土曜日はよさそうだ。

私のソファーから一歩も動かないは日曜日にチャレンジすることとし土曜日はどこかに日帰りで山行に行くことにした。

 それでも3連休を控えた週末に急に山行を計画したところで皆すでに予定は埋まっているかも?実は密かに錫杖に行きたいと考えていたのでのパートナーは必要だ。

とりあえず、暇そうな連中に連絡してみることに、そして集まったのが今回のメンバーだ。

タカは暇人なので秒で参加表明。

クマはいろいろ不安でギリギリまで迷った挙句参加。

サトちゃんはメンバーみて仕方がないので保護者で参加してくれた。

昨シーズンはタイミングが合わなく2年ぶりの冬の錫杖だ。

前回はいろいろあって敗退しているので今回はできればトップアウトしたいと密かに思っていた。

2024/02/24

深夜1時にクマ・タカに迎えに来てもらい出発。

4時過ぎに中尾高原の駐車場でサトちゃんと合流。

4時30分 出発。

雪が少ない。

リヤ谷の登山道も雪は少なく、トレースもあり順調に進む。

始めの渡渉点の水量はかなり多く感じたが、誰もドボンすることなく無事に渡れた。

渡渉点を通過し短い急登をこなすとなだらかな斜面になりそのまま少し進むと本日登攀する錫杖の前衛壁が見えてくる。

中央に見える顕著なコルが3ルンゼ

この時点では天候は晴天。白と青のコントラストの中央に浮かぶ錫杖からは荘厳さを感じずにはいられなかった。

夏場は錫杖沢の出会いから沢沿いに進むのだが、冬場は雪崩のこともあり岩舎まで行き樹林帯を抜け3ルンゼに取り付く。

雪が少なく岩舎手前でも渡渉するはめになった。


岩舎手前の渡渉

ここで、クマがドボンする。
一瞬だったので何とか靴の中を濡らさずにすんだ。

渡渉すれば岩舎は目の前だった。

岩舎には見覚えのあるテントが1つ。知り合いだった。
前日に3ルンゼに行ったそうだが状況が悪くていろいろあったようだ。

岩舎前で

彼らに前日の情報もらいながら場所も少し借りて登攀準備をする。

この気温と彼らからもらった情報で3ルンゼのコンディションが最悪なことは容易に想像できた。

3ルンゼは各パートともに初めにチョックストーンの岩場を越えあとは雪壁を登るというスタイルになる。

氷がしっかりとついてさえいればそこまで難しいルートではないのだが氷が少ないとなかなか手ごわいルートになる。

サトちゃんは「だから氷ないって言ったでしょ」取り付きみて記念写真撮って帰りましょう。と言い。クマ・タカもその言葉に乗っかる。

私もその場の空気に合わせ「まあ、行くだけ行ってダメなら帰ろう」とは言ってみたが実は2年前の敗退の事もあって今回は前回と同様の条件下でトライしトップアウトしたかったのが本音であった。

仮に敗退になったとしてもチャレンジだけはしたかった。

そんな私の気持ちを汲んでか、とりあえずは行ってみることになった。

岩舎からはの登りはきつい

今回は4人なので2パティーに分けトライ。編成は私とクマ。サトちゃんとタカだ。
氷は少ないどころか全くない。雪もグズグズで悪そうだ。

リードは少しばかり厳しい戦いになりそうなので今回はザックをパーティーで1つにし、フォローが背負うことにした。

おかげで私は取り付きまでもずいぶん楽をさせてもらえた。

取り付き手前の最後のセーフティーゾーンで腹ごしらえ

8:30 3ルンゼ 登攀スタート

少ないとはいえF1はしっかり埋まって見えた。

とりあえずはロープは出さずF1を進む。この時点ではまだ雪もしまっていた。

下から見ると雪はしっかりあるように見えたのだがところどころ大きく口を開けていた。

F2の少し手前から露岩部が多くなりロープを出すことに。

私が少々ルンゼ内を突っ込みすぎたためF2の抜け口でいきなり緊張を要する登攀になってしまった。

サトちゃんはそんな私を見てか上手く回り込み弱点を突いた良いルート取りをしていた。

F2の抜け口で思わず声が出る。その声とともに私のスイッチが入ったようだ。

そのまま少し雪壁を上がり終了点に。クマをフォローする。

F3 ここが今回の核心だったと思う。

氷の全くない壁を登る。残置ハーケンはあるが信頼度は低い。
カムを使えそうな場所もない。

くまはそれを見て「ここ行くんすか?」「ルート違ってませんか?」を壊れた昔のレコード盤のように繰り返す。

それでも、ここしか登れそうな場所は無いのでとりあえず取り付いてみることにした。

岩は一枚のように感じるが、上下二段になっていて下部の岩から上部の岩に移る場所が厳しかった。

乗越部分には氷もなく雪もうっすらあるだけでバイルを打ち込もうと振っても岩に弾かれ鈍い音を出すだけだ。その音を聞くたびに絶望感を感じた。

F3 出だし核心

なんとかバイルのかかる場所を見つけアイゼンは額のシワほどの溝に置き手足にかかる力をできる限りすべてに全てに分散しどれか一つでも外れないことを祈るような気持ちで身体を上に引き上げた。

なんとか岩部分を越え少し雪壁を進むと終了点がある。

なんとも心もとない終了点だが少し補強してフォローを迎えるためコールした。

クマから「登ります」のコールはあったもののロープは緩んでこない。

ガリガリとアイゼンで岩をかく音は聞こえるのだが、、、。

しばらく、頑張っていたようだが「登れません」と声が聞こえた。

いつもの私ならここで辞めていたかもしれないが渋いクライミングをこなしたばかりでアドレナリンが大量に出ていたのだろうか?今現状で辞めるという選択肢は許さなかった。

初めての錫杖。条件は最悪と言ってもいい。しかも本格的な冬季登攀は初めてのクマ。

私からのアドバイスは「いいから登ってこい」「気合で登れ」「A0でもなんでもしろ」だ。

もう、アドバイスというよりも罵声に近い。

こんなアドバイスだけで登らされるクマは今思えばかわいそうだ。今思えば。

雪壁の端から見えたクマの顔は少し老けてみえた。

終了点でセルフを取りクマの口から出た最初の言葉は「頭おかしくないっすか?」だった。

後続のサトちゃん達も気になる。この日、我々の後は誰もいないので少し待ちながら休憩することにした。

暫くすると予想はしていたが「無理~~」っというコールがした。

クマのロープを外し別パーティーのサトちゃんをフォローで上げた。

フォローで登ってくるサトちゃんを見ていたが技術的には問題ないように見えた。

ただ、ただメンタルの問題なのだろう。

F2をリードしていたサトちゃんとF3で心折れたサトちゃんは別人のようだったがこっちが通常のサトちゃんだということを私はよく知っている。

タカの事はサトちゃんに任せて私とクマは先に進むことにする。

いつも、ニコニコして笑顔を絶やさないクマなのだが、この辺りからクマは笑顔を見せなくなった。

F3の終了点からそのままF4に繋いでもよいとは思うがF4の基部に支点が見えたためそこまで移動してから取り付くことにした。

そこまではクマがリードした。

7~8mの移動で簡単そうな場所だが、この辺りから雪が腐ってきて意外と悪く感じた。

F4はチムニー内をくぐって抜けたあとは毎度の雪壁を少し登れば終了だ。

ここも氷があればなんてことなく登れるのだろうが氷は無い。

今までの登攀で抜け口の状況も気になる。それでも行ってみないと分からないので取り付いた。

F4チムニー内


出口は悪かったが、穴から上半身を出しそこからいっぱいで手を伸ばした場所にはバイルはよくきいてくれた。

F3に比べればずいぶん楽な登攀に感じた私はサトちゃんたちのことは置いていくことにした。

F5の取り付きに移動しようとしたとき、サトちゃんから「帰る~」「降りる~」の敗退コールがあった。

私は当然止める気はないのでクマの悲しそうな顔は見ないふりをしてF5の取り付きに進んだ。

F3以降、クマは身体のあちこちが「ツル」アピールも忘れずに私にしていたが聞こえないふりをしていたことは秘密だ。

後で聞いたのだが「ツリ」止めの漢方薬を私の知らないところで3度も飲んでいたそうだ。

通常このF5もルンゼ左側の氷を登るのだが氷があるのは抜け口から2mほど残っているだけだった。

ルンゼ右の悪い岩から上部にあるチョックストーンに乗りルンゼ左に残った氷に取り付くようにルートを選んだ。

この残った氷は厚みもあり今回初めてスクリューを使った。

ただ、落ちればそこにある氷ごと全部落ちそうな気はしたが、それでも有るか無いかで気持ち的にはずいぶん楽になる。

すでに満身創痍で力尽きそうなクマに「ここが最後のクライミングだ。」と激を飛ばした。

最後の力を振り絞って上がってきたクマは次にF6があることを知って絶望していた。

F6は人工登攀になるので私はクライミングは最後というつもりで言ったのだが、、、。

すまん。

F6の人工部分をこなし雪壁に取り付く。人工部分より雪壁に乗り移る場所の雪がクズクズで悪い。足を置くと崩れていく。

崩れる足元に注意しながら30m先に見えるコルを目指す。

いよいよ最後だ。

コルに到着し灌木で支点を作りクマを迎える。

最後の雪壁を登るクマの顔は泣いている様にも笑っている様にもみえた。

これが本当に最後の雪壁だ

無事にすべてのピッチを終了し二人でコルに到着したのは13:55だった。

F6終了点にたどり着いたクマ。いい顔してるよw

クマが撮ってくれたんで私も

予報に反しガス覆われ視界が悪い。コルから下をのぞき込むと地獄への入口に見えた。

サトちゃんたちが下で私たちの帰りを待っているのであまりゆっくりはしていられない。

クマとお互いの健闘を称えあい少しだけ休憩して下山の準備を始めた。

下山は懸垂で一気に下降する。


数回の懸垂をするとF1の基部にサトちゃんとタカの姿が見えた。

私はてっきり岩舎で待っていてくれると思っていたのだが最後の懸垂ロープを私たちのために残してその場で待っていてくれていたようだ。2時間も。

無事にサトちゃんたちと合流し岩舎へ戻り大休止をとり下山の準備をした。

サトちゃんは年末におしりの手術をして以来まともな登山をしていない。

2週間前にアイスクライミングに行って30分ほど歩いただけで今シーズンアイゼンを履いたのが2回めなのに前回より前に進んだので良しとすると言っていた。

なんて潔い男なんだ!。そんな状態でも私に付き合ってくれるサトちゃんが私は大好きだ。

タカは初めての冬の錫杖に来られことで満足しているようだ。

次は自身の力でチャレンジしてほしいものだ。

そしてクマは、、、。

とても辛く苦しい登攀だったがよい経験ができた。などとそれっぽい言葉を言ってはいたが本音はどうも違っていたようだ。

サトちゃんとタカにどれだけ酷い仕打ちにあったかを私がいることを気にもせず熱く語っていた。その内容に関してはちょっとここには書きたくないw。

そのままにしておくといつまでもクマが私の悪口を言い続けそうなので下山することにした。

岩舎から2時間ほどで駐車場に戻った。今日はヘッデン下山は免れた。

サトちゃんとはここで別れ、帰路に就いた。

高山でクマおすすめの風呂屋によって王将で飯を食った。2人から飲んでも良いとの許可を得たので私だけビールを飲ませてもらった。

私は久しぶりに充実し、満足感を得られた山行になった。
F3を越えてからはもうどこを登っても落ちなる気がしなかった。

Dが4年に1度くらいあるという「今日は岩が小さく見える」というゾーンに私も今回初めて入った気がしたw。

たいそうな書き方をしたが所詮は錫杖の中では初級に位置付けされているルートだ。
それでも今回のような悪条件下でトップアウトできたことはうれしく思う。

今回連れて行ったタカとクマが来年は2人でトライしてくれることを願いつつ、今回の記録はこの辺りで〆るとしょう。

おつかれさん

追伸

 書くまでもない事だとは思うが翌日の日曜日に私がソファーに座っていたのはほんの一瞬だった。










































































2024年2月20日火曜日

仙丈ケ岳 地蔵尾根 



 期日 2024/02/17 

山域 南アルプス 仙丈ケ岳 地蔵尾根

メンバー Wan子・Yr子・Mj子・Kazu 計4名


 それは、正月気分も抜け日常の生活に戻りつつある、ある日の夜から始まった。

その日は、いつものメンバーで新年会という名目での飲み会。

もちろん、たいして為になる話をするわけでもなく、くだらないバカ話で盛り上がる。

そんななか、Wan子の口からこぼれた一言が私の耳にとまった。

「仙丈ケ岳、地蔵尾根日帰りピストンへ女子3人で」っとの計画だった。

なんとなく、そのまま話を聞いていると「一緒にどうですか?」と。

女の子3人に囲まれて行く南アルプスの女王!なんて楽しそうな計画!

この時の私に断る理由があるわけもなく。

もちろん、即答で「行くっす」「参加させてください」となる。

当日、なんとなくの詳細は聞いたのだが、女の子3人と行くことくらいしか酔った私の脳みそは記憶していなかった。

後日、その話を思い出し、軽い気持ちで情報を調べ愕然とした。

往復約25km・累計標高差約2400m・予定行動時間14時間(しかも無雪期で)

更に前日の睡眠時間はナシというおまけつきだ。

うん。うん。私には絶対無理。一応、心の友であるDにも確認はした。

Dからの回答も「うん。やめときな」だった。

 そこから、私は行けない理由を必死で探したのが大義名分を満たすものが見つからない。それでも、彼女達の山行計画は私の意思とは無関係に、しかも確実に進んでいった。

 余談だが、大義名分が見つからない大きな理由として天気が悪い場合はゲレンデスキーが予定されていたからだった。

千丈には行きたくないが、スキーには行きたい。

この下心が私の中にある限り、私に大義名分が与えられることはないだろう。

そんな私に残されたことは当日の天気が悪いことを全力で神に祈ることくらいだった。

2024/2/17 天候 私の祈りは通じず晴れ。この世に神はいない。

 16日 22:30 名古屋を出発。車での移動中はWan子からのおじさんへの配慮があり、1時間ほどの仮眠をとらせてもらった。

 Dからは「もしも登れなかった時の言い訳の一つになるから絶対に前日は寝てはいけない。」と、教えてはもらってはいたのだが小心者の私は不安に耐え切れず目を閉じてしまった。

 17日 2:30 柏木登山口 出発。

出だしは雪も少なくなだらか林道なのでWan子の先導でペースよく進む。

歩き出して1時間が過ぎたあたりで私はあることに気づいた。「この人たち休憩は?」

それから1時間。やっと休憩の指示がでた。

このあたりから私の中で、可愛いかったはずのWan子が鬼に見えてきた。

今思えば、そもそもこの計画を立てた時点で鬼であったことに気が付くべきだった。

月明りもない暗く長い林道は私には終わりが見えず永遠に続いている様に感じた。

それでも開けない夜はない。終わりのない林道も。東の空が少しずつ白く輝き始めたころに松峰小屋の分岐に到着した。


6:20 松峰小屋分岐

 ここから先は大小いくつものピークを越え進む。先ず目指すは2700mあたりの稜線。

積雪量もこの辺りから次第に増え、斜度も急激に強くなってくる。しかもほぼ直登だ。

急登感がこの写真では伝わらいのが悔しい


 薄らとトレースはあるが、場所によっては膝下ほどのラッセルも交えながら進む。

目指す稜線 2700mラインの手前200mくらいの位置で完全にトレースが消える。 


 人様のトレースを借りておいて言う事ではないが、トレースの位置が悪くそのまま先には進めない。

一旦少し戻りなるべく傾斜の緩い場所を選んで登り返すことにした。

予想外のラッセルに多少の時間と体力は消費したが無事に稜線までは到達することができた。

稜線には乗ったがその先もまだ長い。晴れ予報だったはずの天気もそのころから徐々に悪くなり視界も急激に悪くなっていった。

時間的にも体力的にも登頂できるかはギリギリだ。撤退するべきか判断するポイントはここだった。

だが、今回私はリーダーではないので、その判断は彼女達に委ねる。

そして、出された彼女達の判断は時間の許す限り行けるところまで。

登頂できるかどうかはわからないが時間の許す限り挑戦をあきらめない。

もしも今回の山行をいつもの倶楽部のメンバーで挑戦していたなら、トレースがなくなった時点で考える間もなく撤退していただろう。

彼女たちの熱いスピリットを当然だが私も含め倶楽部のポンコツ共にも見習ってもらいたいと心底思った瞬間だった。


地蔵尾根は一般道のはずなのだが、稜線上はルートを示す物は見当たらなかった。
視界の悪い中、ルーファイしながら先へ進む。

私は進みながらも心のどこかで撤退のタイミングを考えていた。きっと彼女達も。

そう思っていたのだが、ここからMj子が突如豹変した。

自ら先頭を志願しガンガン攻める。もう誰も彼女を止められない。
その後ろ姿には必ず登頂するという強い意志を感じた。

後続を気にしてこちらを振り返って確認してくれてはいるが、私には「早く来い!」という圧力にしか見えなかった。
(この意見については下山時に確認済)本人は否定していたが他2名は私に同意。

それでも、その勢いと圧力に引かれパーティーは前進する。

偽ピークをあと2つ越えれば、女王のもとへ。そう信じて。



、、、、、。


厳冬期 仙丈ケ岳 3033m (地蔵尾根)

今年に限れば内容的には雪も少なく技術的な難易度は低いのだろう。
それでも、この長いルートを多少とはいえラッセルをこなしONE DAYでやり切った感動はある。

ついでに言うと、私に限っては恥ずかしながら、仙丈ケ岳は初登頂。

今回のお誘いがなければこの場所に来ることは無かったと思う。

山行前は天気が悪くなり、山行が中止になって行先が「ほのぼのゲレンデスキー」になることを切に願っていたのだが、結果的にはここに来られて本当によかったと思う。と同時にここへは二度と来ることはないだろうと来られたこと以上に強く思ったことは私だけの秘密だ。

山頂は風も強く、飛んでくる氷雪は顔を突く。

証拠写真を撮り、余韻に浸る事もなく帰路に。

ホワイトアウト気味の天候の中、方角を確認しながら自分達のトレースを探す。
山頂から2700m地点までは尾根が広く分かりにくい。

風も強く、時間も気になるところだが、ここは焦らず、しっかりと確認し進むべき方角に向かった。



 無事、安全圏まで戻り、登頂の喜びを分かち合う。

出し切った感がw

しかし、本当の地獄はここからだった。

2700m地点から柏木登山口までおおよそ、6時間。

それでも、帰らないわけにはいかないので惰性で歩く。
下山だけだと思いきや、当然、登り返しが疲れた身体を更に追い込む。

Mj子の電池が切れた感がすごい。
Yr子はもう何も話さない。話したくない。

Wan子は?なぜかここにきて、復活する。
ついていかないと怒られそうな勢いなので必死でついていく。ついてはいけないが。

「まだ~」、「あとどれくらい~」 もう、私の口からはこの言葉しか出ない。

そして、そのうち日も暮れる。


ごまかし、ごまかしでなんとか駐車場にたどり着く。時刻は19:40分
実に、行動時間17時間。ホントよく頑張った。特に私が。

駐車場に戻ると、突然ハッピーバースデイを歌わさせられる。
せっかくなので全力で歌うつもりだったのだが、疲労で声がでない。

駒ヶ根まで戻り、ギリギリで温泉に滑り込み前日のお昼にDと行った気がするガストで遅めの夕食を食べ帰路に着いた。

Mj子が車の中で「今日の山行で余分なお肉が落ちた気がする。」っと言っていたがそれは気のせいなのでご心配なく。と、しっかりと伝えておいた。

Wan子、帰りの運転ありがとう。そしてお疲れ様でした。
耐え切れなくなり途中意識不明になった私をお許しください。

 
 久しぶりの歩きの登山は長い、とにかく長かった。時間も尾根も林道も行きも帰りも。

山行前は若い彼女達に着いて行くことが出来ず、私のせいで敗退になる事が本当に不安だった。それは、こんな私にも「ノミ」ほどではあるがプライドがあるからだ。

今でも無事に達成できた事にほっとしている。

結果、「まだまだ若い者には負けてない」などと、じじくさい言葉を最後に今回の山行記録を〆させてもらう。













































2021年2月16日火曜日

アイス合宿in八ヶ岳

醤油樽の滝

期日 : 2021/02/13~02/14

山域 : 八ヶ岳 (醤油樽周辺)(角木場)

メンバー : サトちゃん、うっちー、miちゃん、yくん、kazu

忘れたころに更新となってしまっているブログだが久々の更新だ

今回は久しぶりにガッツリ腰を据えてアイスの練習をしようということになりゲレンデでの練習を選択した

miちゃんとyくんは初アイス

なので初日は基本的なムーブの練習がしやすい割と簡単な場所という選択で醤油樽に

翌日は初日の様子を見て行けそうなら少しグレードを上げて角木場に行くことにした。

 初めに断っておくが決しておじさんが歩くのが嫌で近場で済ませたわけでないことを一言付け加えておく

02/13

 前夜9時にいつも通りうっちーにお迎えに来てもらう。いつもありがとう。

 うっちーはもうすぐ車を新しくするので私がこの車に乗るのは最後になるかもとのことだった。私も随分とこの車にはお世話になった。感謝だ。

 余談だがずいぶん前からうっちーの次の車にはキャンピングカーを勧めていたのだが、これはあえなく却下された。

 その後いつも通り中央道をぶっ飛ばし、原SAで仮眠し当日の朝5時45分に諏訪南インターすぐのコンビニで残りのメンバーと合流予定だ。

 朝起床予定時間よりも前にうっちーがやたら車から降りたり乗ったりを繰り返す。

気になってどうしたのかと聞くとまさかの事件が!

 服を忘れたという。服は着ているように私には見えたのだが、とにかく気になってしょうがない。とのことでうっちーは一度家に帰ってまた戻ってくるという。それならば少しでも早く戻った方がよいので集合時間より先にコンビニまで移動し私は1人寂しくコンビニでメンバーを待つことにした。

 今回が長距離ランのラストになるので思いっきり走ることがでうっちーも車もきさぞ満足したことだろ。

その後しばらくしてメンバーが集合。

メンバーに上記の旨を伝える。

皆言葉を失うw

 いつまでも話していても時間が無駄なので、気持ちを切り替え(うっちーのことは一度忘れて)現地に向かうことにした。

 桜平の駐車場に車を置いて林道を歩く。林道にかかる橋を渡り少しすれば醤油樽の滝へと続く登山道の入り口がある。昨シーズンにdaiと来た時に比べると雪はずいぶん多く感じた。

 分岐手前で準備をするパーティーがいた。こちらをやたらジロジロ見てくるので何かと思えばうっちーの山岳会の人たちだった。目的地は同じなので「我々はF1で練習してから醤油樽の滝へあがっていくのでロープを張っておいてください」と挨拶をして先に進んだ。

 もちろんだが、うっちーの事件簿も伝えておいた。

 登山道に入り20分ほどで最初の氷瀑が出てくる

醤油樽 F1

小さな氷瀑だが割と垂直で初心者がムーブを練習するにはちょうど良い

とりあえずは誰もいないのでトップロープを張って練習してみることにした。

一発目のリードは珍しくサトちゃんが手を上げた。

やはり人間、後輩がいるとそれなりの自覚は出るようだ。


 miちゃんもyくんも岩場でのクライミング経験者だということもあるが、何より若いので少し教えたらあっという間に登れるようになった。


 そんな彼らに我々が教えられることなど、たかが知れているので僅か2時間で我々のスクールは無事卒業となった。

 これはあくまで私の個人的な見解なのでもし「それは違う」と思った方がいても当方へのコメント等は受け付けませんのでご了承願いますw

アイスクライミングは基本、道具で登る。

基本的な動作を身に着けてしまえばある程度の氷壁はすぐに登れるようになる。

なので初めてアイスクライミングをして2回目にはすっかり中級レベルになってしまう人もいる。

(これはトップロープなどを使ってのあくまでも登攀だけの話に限るが)

 彼らに卒業の旨を伝えると「我々の教え方が良いから」と、これまたおじさんの心をくすぐることを言ってくれた。(やや言わせた感もあるがw)

 そういえば昔、私が師匠にアイスを教えていただいたときに「アイスはワルツだ」「ワルツのリズムだ」と教えて頂いた。当時の私は師匠が怖いので「はい!」と返事はしていたがはっきりいって何のことかさっぱりわからなかった。

まぁ今でもよくわからないままなのだがwww

 miちゃんとyくんが無事に我々のスクールを卒業できたので醤油樽の滝に行くことにした。

醤油樽の滝までは初めの滝から15分くらいだ。

醬油樽の滝

 到着するとうっちーの山岳会の人たちがトップロープで練習していた。

ちょうど終わるタイミングだというのでリードするのが面倒な私はそのロープをお借りして一本登りトップロープをセットさせていただいた。

 垂直ではないが醬油樽の滝の高さはおおよそ35m。

流石にアイス初めての2人はその大きさには感動していた。

 この滝は技術的に難しいことはないがアイス自体になれていないと上部に差し掛かるころには前腕とふくらはぎがきっとプルプルしてくるだろう。



 我々が醤油樽に着いたときは混雑していた滝も私たちと入れ替わりのように他のパーティーは下山され気が付けば貸し切り状態になっていた。

 当日は春を感じてしまうほど暖かく醬油樽の滝は午後になると日が当たるので滝の表面はかなり緩んできた。

ところで、すっかり忘れているがうっちーは無事に11時頃に桜平に戻ってきていたのだが駐車スペースが無いという言い訳で上がってくることは無かった。

 なんとなく皆お腹いっぱい感が出てきたので私が最後に登りロープを回収して下山した。

林道に戻り駐車場までの道のりが意外に長く感じたのは私だけだろうか?

その後うっちーと合流し民宿に移動。

 私とサトちゃんはうっちーが我々を待っている間きっとニヤニヤしながら車でスマホでもいじっているだろうと予想していたのだが聞けば「明日行く場所の偵察をしてきました!」とのこと。うっちー「勝手な想像で盛り上がり、すまん。」いつに間にそんなにデキル男になったのだ?

 ところが話をよく聞けば角木場ではなく、その先にある美濃戸の氷柱エリアを見てきただけで「角木場は見ていません」と言う。おしい。しかし、そういう少し残念なとこがうっちーの持ち味であり可愛いとこだ。そんなところが皆に愛されるキャラなる所以なのだろう。

夜はmiちゃんが食事一切を仕切ってくた。

 「何か手伝おうか」と声はもちろんかけたのだが、ゆっくり飲んでいてくださいとの甘い言葉を疑うことなく素直に受け入れダメ男4人は何も手伝いもせず、只々酒を飲んで馬鹿話で盛り上がっていた。

なんかごめんなさい。

そして夜は更けるが馬鹿話が尽きることは無い。それでも明日のこともあるので二日酔いになる前にとお開きにすることにした。


2/14

 6時に起床し朝食までもmiちゃんにあまえ美味しく頂く。

7時少しまわったくらいに民宿を出発し美濃戸口に移動。八ヶ岳山荘さんの駐車場に車を停め角木場に移動。


 私もサトちゃんも角木場は初めてなので勝手がよく分からず少しウロウロした。

 ネットでの事前情報通りトップロープを張りに行くのが少々いやらしい。

角木場氷柱群

昨日に引き続きここでも知り合いに遭遇。

 角木場はトップロープでしか遊べないので互いに張ったロープを貸し借りすることでロープを張りなおすことなく数本のルートを楽しむことができた。

 昨日の醤油樽と違いここは氷柱ベースのアイスになるため少しばかりグレードがあがる。

 とりあえずyくんに1本登ってもらう。


 あっさり完登。

 もう少し苦労してくれればいいのにと私が思ったことはサトちゃんもきっと思っていたことだろう。

つぎにmiちゃん。

少しつらそうな場面もあったが問題なく終了。


 その後私が続いたのだがここでかっこ悪い姿を見せるわけにもいかないので何か変なプレッシャーを感じながらの登攀。

一応、面子は保ったとは思う。

 その後各自登りたい場所を時間と体力の許す限り楽しんだ。

午後2時前くらいにyくん、miちゃんから気持ちは登りたいが身体がもたないとのこと。

私とサトちゃんはずいぶん前から「若いって素晴らしいね」とおじさんモードでまったりしていたのだがw


 ところで、うっちーは昨日のぶんまで取り戻す勢いで登るのだと思っていたのだがなんだか少し元気がない。

大丈夫か?体調が悪そうなので声をかけると何のことは無いただの二日酔いだ。

昨晩は二日酔いになる前に切り上げたはずなのだが?いったいいつの間にそんなに飲んでいたのだ?

残念ながらクライミングはあまりできなかったが、きっとその分、昨晩はさぞ楽しかったのだろう。

そんなこんなで2日間のアイス合宿は終了。

駐車場に戻って解散したのは15時。

いつも通り多少の事件はあったが楽しい2日間だった。

何より初アイスのお二人がとても楽しんでくれたことが嬉しかった。

今回、サトちゃんにも完璧なサポートしてもらい感謝。

ただ、今回はサトちゃんネタが少なくサトちゃんファンの方には申し訳ない。

それでは今回はこの辺りで。

おまけ

うっちーの体調があまりよくなさそうだったので帰りの車は私が運転していこうと思い、うっちーに告げると「大丈夫っす。運転は別腹っす」と訳の分からないことを言って帰りも運転してくれた。

うっちーいつも運転ありがとう。




























2020年9月8日火曜日

ひとりごと

  私がこのタイトルでブログを更新するときはおおよそ気分の良くない話だ。

なのであまり読んでもらわないほうがよいのかもしれない。

先日、北アルプスの某人気岳に日帰りで行ってきた。

さすがに超人気エリアでコロナ禍にあってもたくさんの登山者でにぎわっていた。

まさに老若男女いろいろだ。

あまり登山に慣れていないような方たちも多く、頑張って登っている姿は微笑ましくも

見えた。

そんななか今回の独り言は”トレラン”だ。

もともと私はトレラン(以下ランナー)にはあまり良い印象は持ってはいない。

それは私の個人的な感情なのでどうでもよいことだが。

そもそも山は自由だ。

なので登山道を歩こうが走ろうが私は勝手にすればよいと思っている。

また、ランナーがトレイルを外して走りそれが自然破壊になってるとか難しいことを

言っている賢い方もお見えのようだがそのあたりの事は私にはよくわからない。

それに登山者だってトレイルを外すことはよくある。

アルパインクライマーなどは、そもそも登山道を使わない(取り付きまでは使うが)

結局のところ、登山者でもランナーでも要はやりすぎないことが大切なのではないかと思う

どんなことでもそうだと思うが、度が過ぎれば問題になる。

ネットでもよく話題になっている登山者とトレランの共存的な考察をここでする気は

もちろんない。

なぜなら 私は難しいことを考えるのは得意ではないからだ。

ただ、今回は私が遭遇した、ちょっとどうかしている?ランナーに言いたいことがある。

山頂付近のテンバの奥にトイレに行くためだけの道がある。

そこを走るか?トイレに行くだけだろ?

ちびりそうなのか?

すれ違うのもやっとな道幅。私は意地悪なのでどかないが何人かの登山者は壁に張り付くよ

うに道を譲っていた。

それはもう、ただのトイレの順番ぬかしだ。

下山時後方から追い立ててくるランナー(本人はそんなつもりはないのかもしれないが)

どうしても、そう感じてしまうランナーは少なくはない。

それに、譲ったんだからせめて会釈の一つくらいはあってもよいのでは?

そんなことは思ってはいないのかもしれないが「おせー奴はどけや!」

「俺、はえーだろ!」的な感じがどうしても漂ってくる。

ご年配の夫婦や小さな子供を連れたおかあさん。奴らはそんな人たちにさえも無慈悲だ。

例え、そこが降りにくく危険な場所でも。

あまり山慣れしていなさそうな人たちが、恐る恐る降りている場所で背後から

攻め立てられるのだから、見ているこっちが怖い。

なかにはテンパって動けなくなる方もいた。

少し先にすれ違える場所があっても、一秒でも早く先に行きたい。そう感じる。

最近、巷で話題の「あおり運転」となんら変わらない。

悪質な「あおり運転」は、おまわりさんに逮捕されるらしい。

そんな奴らは県警の山岳パトロール隊に逮捕されてしまえばいいのにと思う。

もちろん、全てのランナーがそんな奴ではないことは私も知っている。

私の知り合いにも多くのランナーがいるがそんな奴はいない。はず?

今回、遭遇したなかの一人はたぶん経験の浅いランナーだと思うが、平坦な場所では全力で

走り、岩などで段差が大きく降りにくい場所は極端に遅い。

それでも、ゆっくりな登山者を押しのけてでも先に行こうとする。

流石に見ていて気分が悪い。

たいして早くもないので私が逆に後ろから追い立ててやることにしてみた。

すると、振り返ってサングラス越しに私の顔を見てきた。

自分でいうのもなんだが私は人相があまりよくない。

そいつは必死になって降りて行った。それでも私は意地悪なのでスリップストリームばりに

着いて行ってやった。あまりやりすぎて転んで怪我でもされると気分が悪いので

適当なところでやめたが。

やつも、これで少しは追い立てられる側の人の気持ちが分かったのではないだろうか。

冒頭にも書いたが「山は自由だ」だから私は登っている。

だが、自由を貫くためには責任が必要になる。

自由と責任は二個一だと私は思っている。

自由になろうとするほど、その責任は大きくなっていく事を知ってほしい。

今回、たまたま遭遇したランナーが、たまたまそんな奴だったからここに書いてみたが

登山者にだって非常識な奴はもちろんいる。

山に入るすべての人が、人と山と自然に敬意をもって接し自身への謙虚さを忘れなければ

きっと素敵な休日になると私は思うのだが、皆さんはどう思われただろうか?

今回、それっぽく書いてはみたが要するに山に行ったら「ちょっとイカれた奴」がいた。

ただそれだけの話だ。














2020年2月27日木曜日

西穂高岳 西尾根 敗退

第1岩峰取り付き手前

昨年夏の源次郎いらい久しぶりのブログ更新だ。

ごくごくわずかな「TO THE LIMIT」ファンの方々大変お待たせいたしましたw

年末年始はずっと山には入っていたのだが槍ヶ岳中崎尾根敗退。黒百合ヒュッテベースの飲み会。それ以前もどこかしらの山に入ってはいたが内容も乏しく執筆活動にも力が入らず今日に至る。

年末の中崎尾根に至っては写真すらろくにない有様だ。

今回、久しぶりに書きかけたので西穂の前に少しだけ前回の槍の話もしておこう。

昨年の年末はそれまでの暖冬から一変して大型の寒波の襲撃により大荒れの予報に
参加メンバー全員で話し合いいったんは中止の方向で折り合いがつく。

それでも私は30日の好天予報がどうしても捨てきれず、うっちーと2人で決行することにした。

2019年8月15日木曜日

2019 剱岳 源次郎尾根

劔沢BCから

期日 2019/08/11~13
山域 北アルプス 剱岳 源次郎尾根
メンバー Tちゃん Mちゃん Kazu

 梅雨明けと同時に本格的な夏を感じ暑さがこたえる。

今年の夏休みはゴールデンウイークに続き暦の都合もあってか割と休めそうだ。

今回は劒沢をベースにしてあれこれ勝手に考えていた。

Tちゃんたちを源次郎に連れてい行く約束もあり、個人的にはチンネにも行きたい。
せっかく劔まで行くので欲がでる。

前半で源次郎、後半でメンバーを入れ替えチンネ。
なんとも贅沢な計画だ。

ただ、これは私の勝手な妄想だ。いつものことだが、私は山行計画をたてる前に嫁からの山行許可を得なければならない。これが毎回一番の核心となる。
しかし今回はなにやら嫁のご機嫌もよく予想外に安易に許可を取ることができた。

2019年7月9日火曜日

御在所岳 マル秘トレーニング


期日 2019/07/07
山域 鈴鹿山系 御在所岳
メンバー うっちー Kazu

梅雨真っただ中の今日この頃。
天気予報とにらめっこする日々が続く。

今日は7月7日。七夕だ。誰か僕の織姫を知りませんか?

さて、くだらない前置きはおこの辺にして今回の山行レポに。

我々アルパインクライマー(自称)は登山というジャンルの中のことは一通りこなせなければならない。もちろん、どこのレベルまで達するかは人それぞれだがw

なので我々は日々各種トレーニングを行わなければならない。

2019年5月6日月曜日

2019 白馬

白馬主稜の3峰から見た杓子

期日 2019/05/02~04
山域 北アルプス 白馬
ルート 白馬主稜〜小蓮華〜栂池
メンバー サトちゃん、R、うっちー、kazu

今年のゴールデンウイークは元号が変わるという一大イベントもあり休みの長かった方も多いのではなかっただろうか。かくゆう私自身も例年よりは長い休みをいただくことができた。

さて、そんな中、今年はどこに行こうか?などと愉快な仲間達と夢は広がる。

去年のGWは天候にやられ散々だった。
やはりここは去年のGWのリベンジという流れが順当だろう。ということで涸沢へ行くことが決定した。

出発日が近づくにつれ天気は良い方へとかわりそれに比例し我々のワクワク感んも高まっていった。

そんな前日、メンバーの一人が熱にやられ参加ができなくなった。
残念ではあるが病気には勝てない。次回に期待して今回は涙を飲んでもらった。

そして迎えた出発日。
朝一でMちゃんから電話が。私は冗談で『熱でもでたか?』というと『ぎっくり腰で動けない』との返事が。

これには私も流石に言葉を失った。

出発日を1日遅らせ様子を見ようかとも思ったのだがMちゃんは1日で良くなるとは思えないとのことだった。

もともとはこの3人(熱の病欠含む)のために涸沢へ入る予定だったのだがこうなってしまってはあまり涸沢に行く意味もない。

どうするか残りのメンバーと相談する。

結果、白馬の主稜が候補に上がった。

Rを連れて行くには多少の不安もあったが総勢4名、残りのメンバーには不安はない。
R1人ぐらいならば私が面倒を見れば済むこと。

ということで今回のGWは白馬へ。
さて今回の山行はどんな山行になるだろうか?w

ひとりごと

先日、白馬主稜に行ってきた。

初日に3峰まであがりビバーク。
翌日1峰の雪壁へ。私達パーティーの前に2パーティー。

順番を待って私が取り付く。
トップに向かってロープを伸ばす。

後ろを振り返ると沢山の人が上がってきていた。

私たちは4人、2パーティー編成で最後の雪壁を踏破。

私のパーティーが先行し、次に続くため取り付きで待つ2人。

私が抜けビレイに入りセカンドを上げる。

そんな頃どこかの(おそらくはガイドチーム)だと思うが横からすり抜けていく。

雪壁は幅も広いのでどこからでも上がることは可能だ。

しかし、出口は一つ。

ちょっとイラっとする。

その後それが発端となって他のパーティーもなだれ込む。

私たちのパーティーは分断される形になった。

次から次に後に続く。登攀者同士の間隔もない。

前の人が落ちたら確実に皆んな巻き込まれてしまうような距離だ。

怖くはないのだろうか?

そんなに慌てて登らなければいけないのか?

なにをそんなに慌てているのか?

その割には登攀後、小屋でゆっくりしていた人も目に付いた。

他のパーティーのことをどうこう言うつもりはないが上からのビレイを見ているともうめちゃくちゃだ。

それで確保できているのか?セカンドがもし落ちたらその姿勢で耐えられるのか?
私にはどう見ても確保できるようには見えない。

小柄な女性がリードしスキーの板を担いだ男性をビレイしてる。

セルフも取らずしゃがみこんで肩絡みふうな格好でロープを握る女性。

もし、後続が落ちれば(雪壁なのでクライミングのような落下はないので)ずり落ちながら止まるはずの後続が上のビレイ者を引きづり込むような形になるのは明らかだ。

落ちないのが前提のビレイやーが多すぎる。

万が一のためのロープによる確保。

万が一だから適当なのか?

そんなビレイならロープを出さず、各自フリーで登った方がどれだけリスクが少ないか?

白馬主稜は技術的にはそんなに難しい場所は少ない。
どちらかといえば体力勝負なルートだと私は思う。

だからと言ってそういう技術がいらないわけではない。

仲間を落とさない。怪我をさせない。もちろん自分自身も。

最低限のルールはここに尽きると思う。

その確保で自分と仲間を守れるかもう一度考えてほしい。

そして、そんなやつらに巻き込まれ事故にあうのも全くゴメンだ。

2019年1月9日水曜日

年末年始八ヶ岳


期日 2018/12/29~2019/01/02
山域 南八ヶ岳 阿弥陀岳 北稜 赤岳 主稜
   北八ヶ岳 天狗岳
メンバー kazu サトちゃん Tちゃん Mちゃん ウッチー リエ


 年末年始の八ヶ岳は今回でかれこれ7年連続になる。
回を重ねるたびに楽しい仲間が増えていくのは私にとってとても嬉しいことだ。
ただ、仲間が増えていくのに比例して飲む酒の量も増えていくのはどうしたものか。

 今回の山行の目的は宴会
あとはウッチーの冬季登攀のトレーニング。
Tちゃん、Mちゃん、リエの赤岳主稜ツアーのガイドだ。
サトちゃんは暇人なので私のフォローで入山をお願いした。

 山行の内容は昨年の年末山行と変わらない。

 阿弥陀北稜、赤岳主稜。一体何度登ったのだろうか。ただ、何度登ってもその都度違った様相を見せてくれるので飽きることのない良ルートだと思う。

2019年1月1日火曜日

A Happy New Year




皆様あけましておめでとうございます。


今年も宜しくお願いします。

錫杖岳 前衛壁 3ルンぜ

 期日 2024/02/24(土) 山域 北アルプス 錫杖岳 前衛壁 3ルンぜ メンバー Kazu , くま , サトちゃん , タカ 計4名  前週末に行った地獄尾根の疲れがなかなか抜けず、今週末は勝手に完全レスト日として嫁との攻防を制しソファーから一歩たりとも動かないで過ごせ...