2019年1月9日水曜日

年末年始八ヶ岳


期日 2018/12/29~2019/01/02
山域 南八ヶ岳 阿弥陀岳 北稜 赤岳 主稜
   北八ヶ岳 天狗岳
メンバー kazu サトちゃん Tちゃん Mちゃん ウッチー リエ


 年末年始の八ヶ岳は今回でかれこれ7年連続になる。
回を重ねるたびに楽しい仲間が増えていくのは私にとってとても嬉しいことだ。
ただ、仲間が増えていくのに比例して飲む酒の量も増えていくのはどうしたものか。

 今回の山行の目的は宴会
あとはウッチーの冬季登攀のトレーニング。
Tちゃん、Mちゃん、リエの赤岳主稜ツアーのガイドだ。
サトちゃんは暇人なので私のフォローで入山をお願いした。

 山行の内容は昨年の年末山行と変わらない。

 阿弥陀北稜、赤岳主稜。一体何度登ったのだろうか。ただ、何度登ってもその都度違った様相を見せてくれるので飽きることのない良ルートだと思う。



29日

 例年変わることのない仕事納めの日だ。
今年、29日は土曜日だ。うちの会社も日にちにこだわらずたまには休みを長くすれば良いものを、などと思いながらも真面目な私は出勤し正午に納会を終え帰宅。準備を済ませ少し仮眠し17時すぎに家を出た。
ウッチーとは恵那のSAで待ち合わせをし20時すぎに八ヶ岳山荘に到着後少し飲んでからこのところはまっている八ヶ岳山荘の仮眠室で就寝した。

30日

 4:00起床。車で美濃戸まで上がり5:00に北沢から赤岳鉱泉を目指す。
先週歩いたばかりの北沢だったが今回は登攀具より重い宴の品の為か牛歩の如く鈍足だ。それでも7時すぎには鉱泉に到着した。

 すぐにDaiを見つけ挨拶をかわす。
あれだけ多くの人の中お互いのことをすぐに見つけてしまうあたりがザイルパートーナーを組める要因の一つなのかw

小屋周辺の幕営地はすでに多くのテントでとても8テンを張れそうな場所は無く少し下がった場所で幕営することにした。

我々のテントは少々騒がしいので離れた場所に設営する方が結果的にはよかったと思う。

本日はDai,ちんちゃんと共に阿弥陀の北稜に行く約束をしていた。
テントはとりあえず適当に張って場所さえ確保しておけば後発隊のメンバーが後はやっておいてくれるだろうと勝手なことを思い早々に阿弥陀に向かった。

中山峠のあたりで山仲間のヒロさん達に会う。
石尊に向かったらしいが渋滞がひどく急遽、阿弥陀に予定を変更したらしい。

行者で小休止を取り阿弥陀に向かう。
天候はあまり良く無く、気温はかなり低い。ここ最近は経験していない八ヶ岳らしい寒さっだった。

夏道を使い高度をあげる。
JPを右手に見ながら適当な場所からトラバースして北稜に取り付く。
雪は少ないが昨年の年末に比べると良い状態だった。

第一岩峰ではザイルを出さずに超える。
ウッチーとの冬季登攀は初めてなのでお互いに微妙な感じだ。

振り返ってうちーを見るが、上から見ている限り問題はなさそうだ。



すぐに第2岩峰に到着。
第2岩峰は2つの登攀ルートがとれる。どちらかといえば左側のルートほうが簡単だ。
左側のルートはルンゼ状になり斜度もゆるく安心感がある。

それに比べると向かって右側のルートのほうは斜度もあり、体が岩から外に出るので高度感も感じクライミング要素としては面白い。

ウッチーにどちらから行くか確認する。
答えは『簡単なほうでお願いします。』とのこと。

私は心の中でセカンドなんだから『そこは難しいほうだろう。』と思ったのだが今回だけは見逃すことにした。

特に何も指示すること無く登らせていたのだがウッチーは生意気にもなんと無く不安げなダブルアックスでドライツーリングのように登ってきた。
このなんと無く不安げな感じは下山時にわかることになるのだが。

登攀は順調に進みあっという間に阿弥陀の山頂に。

ウッチーと記念撮影をして山頂を後にする。


寒いのでDai達には先に下山にかかるということは事前に言っておいた。

ところでDaiは最近サボりすぎで取り付きまででかなりへばっていた。
そんなことでは私のザイルパートナーは務まらないのでもう少し山に入って欲しい。
そんな私もすぐにへばることは一先ずおいておこう。

下山中にウッチーがポツリと言った『冬のクライミングって楽しいですね、初めてやりました』にはかなり驚かされた。

そういう大切なことはもう少し早く言って欲しいものである。

行者までもどりDaiを待つ。
ちんちゃんがもう少しかかりそうとのことだったので後発隊のこともあり我々は先に鉱泉に戻ることにした。

鉱泉に戻ると私の目論見通りテントはすっかり整地された場所に綺麗に張ってあった。
サトちゃんに『テントありがとう』と、言うと『やっておけってことですよね』と、すかさず言われてしまった。



綺麗に張られたテントの中で着替え宴会の準備に入る。

 テントの中に入るとびっくりする量の酒が、TちゃんとMちゃんであげたらしい。
Mちゃんは『今までの中で一番重かったかも』と、言っていたが『そりゃそうだろう』と納得してしまうほどの量だった。Tちゃんは今回の山行数日前にギックリ腰になって山行自体が危ぶまれていたのだが、これだけの荷をここまで担ぎ上げられるのだからすっかり良くなったのだろうと思った。

 みんなが担ぎ上げてくれた酒と馳走で宴は始まる。

酒を飲みながらする馬鹿話はなぜかとても楽しい。

そんな中、Tちゃんはギックリ腰の具合がよくないので明日は待機でテントキーパーになることを早々に宣言していた。

 実は私はあれだけの荷を担ぎ上げられるのだから問題なくいけると思ってはいたが本人の意見を尊重し黙認した。
 
 けっして怖いからではなく、腰が痛いことをやたらアピールするTちゃんの姿はなんだか少し愛らしく感じた。ただ、待機を宣言するTちゃんはいつもより確実に冗舌だった。

そろそろ、夕食の準備をするとリエが言うので鍋パーティーに切り替えた。
今夜の夕食はもつ鍋だ。

みんな、うまいうまいと言ってたくさん食べていた。
私以外は。そのことについて触れるのはやめておくが次回の山行からもつ鍋はやめてもらえると助かる。

もっと飲んでいたいところだが明日は予定している山行もある。明日の行動予定を確認し就寝することにした。

30日

AM 4:00 起床
朝飯を食い装備を斉へる。

本日のパーティー編成は私、Mちゃん、ウッチー。サトちゃん、りえの2パーテイーだ。
もちろんDai,ちんちゃんも一緒に行く。

Daiたちと合流しいざ赤岳へ。
出発前にみんなで写真を撮る。何やらMちゃんの様子がおかしい。



中山峠を越え行者に到着。
小休止をして各自登攀に備える。

やはり、Mちゃんの様子が気になる。
どうかしたのかと 問うと『緊張してる』との答えだった。
あれだけ雑なMちゃんでも緊張することがあるのかと私は素直に思ってしまった。

Mちゃんはちんちゃんに励まされ多少は気持ちも落ち着いた様子だった。

昨日登った阿弥陀との分岐をすぎ文三郎尾根に取り付く。雪はまだ少なく階段が出ていた。文三郎の出だしはいつ登ってもシンドイものだ。私の中では八ヶ岳三大急登の一つに認定している。

急登に喘ぎながら取り付き手前のトラバースに到着する。
予想以上の混み具合だ。そこそこ風もあり、かなり寒い中での待機となった。

Daiたちは当日下山なのでこのまま待つと帰りが遅くなってしまうので今回はここで撤退となってしまった。

しかし、Daiには申し訳ないのだが取り付き一発目のチョックストーンを シンガリになるりえをフォローしてから降りてもらうことにした。

とにかく先行チームが遅い。
いったい何をしているのだろうか?リードが上がってからフォローの体制に入るのが遅い。赤岳の主稜は冬季バリエーションの入門ルートだ。なので、それに見合ったパーティーも多い、加え人気のルートでもある。なので渋滞は仕方のないことでもある。もちろん今回の我々のパーティーも初心者チームだ。

これは私個人の考え方(気持ち)だ。さらっと読み流して欲しい。

どこのルートでもそうなのだがリードに時間がかかるのは理解できる。
(なんども通っているルートなら別だが)

特に主稜のようなルートでは今回の私のように初心者を連れて登ってくるパーティーも多いと思う。そんなパーティーのセカンド以下に続く人があまり上手く登れないのを見ていると心の中で応援したくもなる。
たまに心の声が漏れてしまい下からあれこれ言ってしまうこともあるのだが。
登攀だけとれば技術、体力など個人差があるので早いとか遅いはあまり気にならない。
(ただしバリエーションルートに入る以上はある程度の登攀技術は身につけていては欲しいのだが)

私が見ていて(待っていて)1番イライラするのはロープワークでもたつくパーティーだ。これはキチンと素早くやって欲しい。ロープワークは慣れだ。家ででも練習できる。
最低限これだけはできるようになってからバリエーションに入って欲しい。

冬季登攀では特にスピードが大切だ。
夏のクライミングでできていることが冬季の装備に切り替わるとできなくなる人も多い。

私も他のパーティーからそんなことを言われないようにキチンと練習をしている。

愚痴はこのくらいにして先に進もう。

赤岳主稜はノーマルルートなら、取り付き一発目のチョックストーンを越えてしまえばあとはこれといって難しい場所はない。



今回はチョックストーンを越えた場所には雪もしっかりと付いていて越えやすかった。
そのまま2ピッチ目へと続く。


3ピッチ目あたりからだったろうか。
Mちゃんがよく喋るようになってきた。なんだか楽しそうだ。
今朝のMちゃんとは別人のようだった。



逆にその頃からウッチーの様子がおかしくなってきた。
お疲れのようだ。

その後もいく先々で渋滞。寒い。

そんな中事件が。最終ピッチの手前でロープが絡まる。
今回新品のダブルロープを下ろしたのだがよじれが酷い。家でかなりしごいてきたのだが具合があまりよくなかった。そこまで来る間にも何度か怪しい感じはしていたのだがここに来てやらかしてしまった。

本当に恥ずかしいことなのだが2本のロープが絡まりなんともならない。

そんな事態に私はといえばイライラマックス。
Mちゃんは見て見ぬ振り、ウッチーは半分放心状態。

隠しきれないイライラを隠しながらロープを処理する。
後続で上がってきたサトちゃんが見るに見かねて手を出す。

こんなに頼りになるサトちゃんは初めて見た。
サトちゃんのおかげで私のイライラも収まり一緒にロープを解く。

なんとか元どうりになり登攀を再開。



最終ピッチを終えウッチーとはロープを外す。

そのまま少し上がれば赤岳の北峰だ。

 ウッチーは肩がけしたロープに絡まり壊れた操り人形のようになりながら、何やら独り言をブツブツ言いながら登っていた。

Mちゃんは少し心配なので、そのまま確保しながら最後まで登った。

北峰山頂で無事登攀を讃えあい小屋の影で小休止をし下山についた。



これはあとでサトちゃんから聞いた話だが最後尾から某警の◯岳◯備隊パーティー2名が訓練にきていた。
渋滞にしびれを切らしサトちゃんとりえの間に割って入ってきたようだ。
ロープはクロスしサトちゃんのランニングからさらにヌンチャクをかけ、挙句邪魔になったランニングは外してしまう始末。

昔は割って入られるということは自分たちのパーティーの力量が足らないからだ。
悔しい経験が自分たちの練習意欲を掻き立てる。などと言っていた時代もあった。

しかし、今のゆとりの時代には似つかわしくはない。
ましてや警備隊。その結果事故であったらどうするつもりなのか。

渋滞しているのはわかっているはず、待つことができないのならば。
あなた方の実力ならばこんな場所で練習せずにもっと難しい場所、あまり人の来ない場所に行ってください。もしくは◯備隊の制服で来ないでください。なんだか文句も言いにくい。

テントに戻るとTちゃんが家に置いてきぼりをされた子犬のように寂しさと嬉しさの入りまじった表情で迎えてくれた。

ウッチーはその日そのまま下山なのでみんなで見送った。

私はその後、別の友人たちのテントに遠征し泡盛の洗礼を受け自分のテントに帰るまでに遭難しそうになる。なんとかテントに戻りそのまま意識不明に。

しばらくしてMちゃんに叩き起こされ鉱泉のビンゴ大会に参加した。

この鉱泉のビンゴ大会も本当に年末の恒例行事になってきた。

半分酔った状態でのビンゴゲームは辛かった。

そしてテントに戻り平成最後の大晦日を仲間と楽しく過ごした。

01/01
6:00 起床
本日は下山のみ。だらだら過ごし撤収。



11時前に美濃戸到着。解散。

恒例の年末年始の八ヶ岳山行。
いつものメンバー。久しぶりに会う友人。新しい出会い。
とても楽しく有意義な時間だ。

今年も安全登山に勤め、また今年も楽しい年末を迎えられるようにしたい。

おまけ

みんなと別れたあと暇人サトちゃんをパワハラまがいで強制的に黒百合に誘う。
次男が黒百合にでバイトしているので様子を見に。
断っておくが決して私は親バカではない。
嫁に次男への差し入れを届けるように指令を受けていたので任務をこなしにいくのだ。

J&Nで昼食をとり風呂に入って唐沢鉱泉まで車で移動。
黒百合についたのは16時過ぎだった。

黒百合のオーナーと、小屋番の皆さんとゆっくり話をすることができた。
皆、とても良い方だ。
こんな仲間と働ける次男が少し羨ましくも思えた。

翌日は、東、西天狗を登りパノラマコースで唐沢に下山した。

夜半からの降雪でトレ−スはなくガスで視界も悪い中での登山になった。




余談だが朝小屋の前でサトちゃんとタバコを吸っているとアイゼンがはまらず悩んでいる若者がいた。靴の裏に雪が団子になりアイゼンがはまらないのだ。

サトちゃんに教えてあがるように言うとサトちゃんは女性じゃないので放っておけば良いと言った。

それでも私がしびれを切らし声をかけると若者は恐縮しお礼を言ってくれた。
なかなか気持ちの良い青年だった。

その直後、またも同じ状態の人が現れる。
サトちゃんが『今度は自分が行きます。』といい話しかける。
怪訝な表情でサトちゃんを見、言われたことを無言でこなす。アイゼンは当然一発ではまった。しかし、そのおじさんはお礼を言うわけでもなく無言で去っていった。

サトちゃんがブツブツ言っていたのが私にはとても面白かった。

この正月休みは私が家で寝たのはこの日だけだった。
翌日の3日は藤内小屋での餅つき、その後は小屋で新年会。
4日は朝下山してそのまま仕事始め。

よくもまぁ遊んだもんだ。

今日現在も嫁にブツブツ言われていることは言うまでもないことだ。




藤内小屋餅つきw






















































4 件のコメント:

  1. お疲れどん!

    年末山行の核心は宴やね。
    無事テントへ帰還できなにより(笑)
    制服の方々にはいろいろとアレやね。
    追い抜くのは100歩譲ってよしとしても(ランニング外しは論外)
    ひと声かければお互いに気持ち良く登れるのにね。
    要はコミュニケーションの取り方かもね。
    まあ、ワシら(ら?)みたいに
    やたらと他パーティに話かけるのもどーかと思うけど(笑)
    ともあれ、3月には山に復帰できるので、
    ワシの荷物も担いでもらえるように体力作りに励んでてちょ<(_ _)>
    確実にヘバるので☆


    返信削除
    返信
    1. 年末はいろいろとありがとうございました。
      制服の方々も我々では想像のつかないような何かしらの事情はあったのかもしれませんね。

      私もおじさんなので余分な荷物は持てませんw
      3月までに体力維持向上の歩荷トレーニングを自身のマンション階段で他の住民に怪しまれないように行ってくださいwww

      削除
  2. 八ヶ岳山行からの藤内餅つきまでお疲れ様でした!
    年末年始ず~っとありがとうございました(^^)/
    私、繊細なんです!(笑)

    返信削除
    返信
    1. 年末年始遊んでいただきありがとうございました。

      はい。
      以外と繊細なんですねw
      あまり信じてはいませんがwww

      削除

錫杖岳 前衛壁 3ルンぜ

 期日 2024/02/24(土) 山域 北アルプス 錫杖岳 前衛壁 3ルンぜ メンバー Kazu , くま , サトちゃん , タカ 計4名  前週末に行った地獄尾根の疲れがなかなか抜けず、今週末は勝手に完全レスト日として嫁との攻防を制しソファーから一歩たりとも動かないで過ごせ...