2018年12月24日月曜日

稲子岳南壁左カンテ

P4
期日 2018/12/22~23
山域 北八ヶ岳 稲子岳 左カンテルート おまけ 裏同心ルンゼ F1のみ
メンバー Kazu , サトちゃん

今年の夏休みにご縁があって私の次男が黒百合ヒュッテでアルバイトをすることに。
役に立っているのかどうかはわからないが引き続き冬休みも呼んでいただけることになり小屋までとはいえ冬山に1人で行かせるのも多少不安もあり小屋まで送っていくことにした。せっかくそこまで行くのに何もせず帰ってくるのももったいない。
前から気になっていた稲子岳に行くには良いチャンスだ。

Daiは最近忙しく遊んで くれないw
やはりここは暇人サトちゃんに連絡。返事は即答でOK。流石頼りになる男だ。

当初の予定は黒百合に1泊の予定だったが、サトちゃんが翌日の夕方に赤岳鉱泉で友人と待ち合わせをしていると聞く。少々ハードになるがサトちゃんをいじめるべく計画を見直し日帰りでやることにした。翌日は朝から登り裏同心へ行ってサトちゃんと別れ私はそのまま下山することにした。



12/22 02:00 名古屋発
   
06:30 唐沢鉱泉出発 
出発の直前まで雨が降っていた。この時期に雨とはやはり暖冬なのだろう。
当然雪も少なく登山道は歩きにくい。それでも2時間ほどで黒百合に到着。
息子を小屋に送り届け父親としての責任は無事終了。ここからは私の自由時間だ。

装備を整え中山峠をミドリ池方面に降る。
約2250m地点で取り付きらしき場所が、事前にネットで調べていた時にみた写真と一致する場所が?その先を覗き込むと赤テープが続いている。
ろくに確認もせず。テープに誘われ奥に進んでいく。15分くらい行くと行き止まりを示すようなロープが。何かおかしい。地図で現在位置を確認。どうも稲子からの下山ルートに入ってしまったようだ。そもそも事前にたてた計画では2100m辺りから取り付く予定だった。帰宅後もう一度調べなおしたのだが2250m辺りからも南壁の基部をトラバースしながら取り付けるようだ。無雪期なら良いかもしれないが積雪期はやはり2100から取り付いたほうが無難だと思う。

いったん一般道に戻り地図とGPSで確認しながら取り付きを探す。
2100m辺りでテープを見つける。

親切にテープは左カンテの取り付きまで誘導してくれた。

テープは時間短縮になり大変ありがたいのではあるがここはバリエーションルート。
ここまで誘導されてしまうと楽しみが少し減る。
地図とコンパスを頼りに取り付きを探すのも大切なことだ。

林の中を少し進むと岩峰の基部まで一気に急登になる。

サトちゃんはいつも通りヘタレる。
いつでも、どこでも自分の信念を曲げないサトちゃんはある意味『漢』だ。

サトちゃんを待っている間に岩を眺める。
取り付きの目印になっている赤いハーケンも確認できた。
少し休憩していよいよ登攀に入る。予定では5ピッチ。
今回はつるべでやることにした。
私のリードでスタートする。

南カンテルートは初級とのこと。
見た目もなんてことはなさそうで軽い気持ちで取り付く。
特に難しいわけではないのだが出だしが悪い。

今シーズン初の冬季登攀。アイゼントレもせず(これがアイゼントレのつもりだった)
にいきなりの本チャンは気持ちが悪い。それでも少しすれば感も取り戻す。

2ピンめをクリップすればその先は簡単なものだ。
情報通り信頼できる中間支点も多く安心だ。


取り付きから見える真新しい終了点は無視する。ここで切ると1ピッチ増えることになる。だが初心者を連れてくるならここで切ったほうがフォロー時登ってくる姿が確認できるので指示もしやすいだろう。

2ピッチめはサトちゃんのリードだ。
取り付く前から弱気な発言を連発中のサトちゃん。
私は聞こえないふりをしてビレイの体制に入る。私のそんなそぶりを見てサトちゃんは諦めたのか攀じり始めた。



2ピッチめの取り付きすぐの場所は一見左側のほうが優しそうに見えるがスラブになっていてアイゼンでは登りにくい。右側のほうが体が外に出るので高度感があって怖そうではあるが登りやすい。

3ピッチめはあまり記憶に残っていないが新しいペツルのボルトが連打されていた。


4ピッチめはほぼ歩きのトラバース。


5ピッチめは最後の乗っこし部分が少し被っていて身体のバランスが悪くなるが手足はしっかりホールドできるので思い切って立ち込む。
終了点は見当たらなく正面の大岩からビレイ。



あとは少し登れば鹿よけの柵が張り巡らされた山頂。

終了点から見た天狗岳

全体的な印象は冬季登攀になるとネット等で見かける情報よりは辛目かも。

岩自体も割と安定はしているがルートから外れるとかなり大きめの岩も浮いているようなものもあった。細かい石も足元に多くリード時にはロープで石を落とさないように注意も必要だ。

あと、もう少し雪と氷がつくともっと楽しめると思う。

登攀終了後、頂上で少し休憩して下山。サトちゃんにもらったコーヒーが美味かった。
黒百合を経由してきたので中山峠に登り返す。ここが一番の核心だったかも。

黒百合に戻ったのは15時半を少し回った頃だった。
小屋に顔を出すとオーナーがいたのでここは父親らしくきちんと挨拶をして下山に着いた。
息子は年明けの6日までここにいるようだ。もし暇があったら茶化しにでも行ってやってください。

唐沢鉱泉に着く頃にはすっかり日も暮れて真っ暗になってしまった。
久しぶりのヘッデンスタートヘッデンゴールになった。

少し片付けをして車で八ヶ岳山荘まで移動し「J&N』で夕食をたべた。
建設当時から知っていたが中に入ったのは初めてだった。
雰囲気も良く料理も美味かった。もちろんお店のおねいさんも美人だ。
ただ、我々のような、小汚いおじさん達が2人で食事するには似つかわしくないような感じもあったw

その後、八ヶ岳山荘の仮眠室で爆睡した。

12/23 4:00 起床 美濃戸まで車で移動

05:30 美濃戸出発
07:30 赤岳鉱泉着。

赤岳鉱泉にはこの日知り合いの小林さんが仕事できていた。小屋で若大将に挨拶がてら聞いてみたら呼んできてもらえ無事再開することができた。小林さんに会うのは久しぶりだった。少しの時間雑談し再会を楽しいんだ。

私は本日中に下山したいので名残惜しいところではあるが裏同心に向かった。

裏同心はF1からよく氷っていたが予想通りの大混雑だった。
時間が少し遅めなこともあり空いていることも期待していたのだが連休中のど真ん中、皆考えることは同じかと順番待ちする他のパーティと苦笑した。


今期初アイス。ワクワクしながらバイルをふり氷の感触を試す。
悪くない。あっという間にF1は終了。F2の方へ視線をやると人だかりが。
このまま順番待ちをして先に進むと終了したら何時になるのやら。サトちゃんと話今回はこのままF1で何本か登り帰ることにした。




幸いF1は3本ほどルートがとれそうなので我々の後続の方達の邪魔にならないようにルートを変えながら何本か登って裏同心をあとにした。

12時すぎに鉱泉に戻り私は帰り支度を済ませサトちゃんとわかれた。

時間も早く一人なのでゆっくり周りの景色を楽しみながら下山した。































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