2018年1月2日火曜日

年末年始 八ヶ岳


赤岳主稜から

期日 2017/12/30~2018/01/01
山域 南八ヶ岳 
ルート 赤岳主稜 / 阿弥陀岳北陵
メンバー Kazu . サトちゃん . Rie . K子 . Tちゃん . Mちゃん
                   (Dai . ちんちゃん . ハタチュウ)

皆んさん。
あけましておめでとうございます。本年もこんなブログですがよろしくお願いします。

毎年、恒例の八ヶ岳年越し山行に行ってきました。




2017/12/29

 今日で仕事納め。
早々に仕事を切り上げ関係各位への挨拶を済ませ帰宅。
珍しく昨晩パッキングを終え出発の準備は万端。

 ところが嫁が車に乗っていってしまったまま帰ってこない。一体どこに?
17時には出発することは前日に伝えてあったはず。

新しい種類の嫌がらせなのか?それとも何かトラブルでも?
そんなことを考えていると携帯が鳴った。

 私のために車のガソリンを入れに行ってくれていたらしい。そのまま大型ショッピングモールへ寄ったらひどい混みようで駐車場から出られなくなっていたらしい。

 それでも18:00 少し前には荷物を積み込み家を出発することができた。

予定より少し遅れはしたが 21:00 前には八ヶ岳山荘にてサトちゃんとK子と合流。
山荘の談話室で2時間ほど酒を飲みながら談笑し山荘の仮眠室で就寝した。

それにしても八ヶ岳山荘の仮眠室はなぜあんなに心地が良いのだろうか?
驚くほどよく眠れる。

経験のない方は是非一度経験してもらいたいものだ。きっと今まで体験したことのない心地よい眠りを経験することができるであろう。

12/30 03:30 起床 4:00 車で美濃戸まで移動

 前日からDaiが入山しているので事前に聞いてはいたが林道はかなり凍結していた。
暗闇の中、凍結した林道を車で上がっていくのは気分の良いものではない。

きっと、歩いた方が精神的には楽なのだろう。
それでも、私はこのたかが1時間程度が歩きたくないのだ。

なにせ、ほぼこのために嫁が欲しがっていた軽自動車を強引にジムニーにしたのだから。

5:00 美濃戸出発。
久しぶりの30㌕越えの荷物はおじさんの身体には沁みる。
北沢を重たい荷物に喘ぎながら赤岳鉱泉まであがる。

7:00 鉱泉到着。Daiたちと合流。
幕営の準備をするために時折吹く爆風の中テントを張る。

一瞬の油断でテントが爆風に持って行かれサトちゃんとK子はテントの下敷きになっていた。その時の2人の格好はまるでコントのようだった。


予報では午後には風は弱くなるようだ。

Daiと相談し赤岳への出発時刻を9:00にした。



9:00 鉱泉出発

中山乗越への登りが辛い。
たかだか2時間ばかりの歩荷がおじさんには効いているようだ。

行者小屋で小休止をとり気持ちを入れ直し赤岳主稜にむかう。

パーティーは2隊。

サトちゃん、K子、私の3人。
Dai、ちんちゃんの2人だ。

初トライはサトちゃんとちんちゃん。

サトちゃんにはせっかくなのでリードしてもらうことにした。
本人はまさかの展開に少々の戸惑を感じでいるようだったがそこは気がつかないふりをしてそのままスルーした。

文三郎尾根に取り付きそのまま主稜へのトラバース地点を目指す。
脚があがらない。

やはりここに来て朝の歩荷がボディーブローのようにジワジワと効き、脚にきているようだ。先行者から徐々に遅れ始める。

後ろを振り返るとK子も同様にボディーブローが効いてきている様子だった。
しかし、K子にはテントのポールをもたせたくらいで荷物の重さはたかがしれているはずだった。おそらくその原因は女子会という名の婦人会で旅行ばかり行き山行をサボっていたツケがここにきてはっきり結果をだしているようだ。


主稜取り付き手前のトラバースが雪が少ないため逆にいやらしい。



取り付きに到着し主稜スタートだ。

Daiが『サトちゃん。どーぞ』とのまさかの声にサトちゃんは『えっ』古い表現だが鳩が豆鉄砲をくらったような顔で言った。Daiも意地の悪い人だ。

『ルートがよくわかりません。』のサトちゃんの返事に『行けばわかるよ』と適当に答える私。『なんとなく右の方へ』と適当にアドバイスするDai。

そんな説明だけでおもむろにチムニーに取り付けるサトちゃんも、やはり我々同様に適当な人間なのであろう。

 チムニーを超え先に進む。
セカンドはK子。取り付くも何故か苦労している。
歩荷が効いているのか?何故だかよくはわからないがとにかくお疲れの様子だ。

そのまま先に進むがイマイチ調子がでてこない様子だ。




そんなK子をしり目に私は主稜に取り付いてからはアプローチとは別人のように調子が良い。

サトちゃんもクライミング自体になんら問題もなく進んで行く。
成長したものだ。やはりそこは師匠が良いからであろう。少しくらいは感謝してほしいものだ。

3ピッチ目を過ぎる頃から風が強く感じられるようになる。
強烈な寒さだ。

事、登る事に関しては問題のないサトちゃんだったがフォローが少々間に合っていない。
まだ、経験が浅いサトちゃんなので当たり前な事なのだが冬期アルパインでは、技術、経験不足が目立つ。

特にダブルロープの使い方にはもっと経験を積まなければいけないと感じた。
それは本人も自覚できたと思う。結果的に今回のリードはサトちゃんにとって良い経験になったのではないだろうか。

K子の疲労を考えるとこのままグズグズ登攀を続ける事はリスクが高いと判断し、残念だがサトちゃんのリードはここまでにし、その後は私がリードした。


4ピッチ目を過ぎた頃、強烈な寒さと疲労に耐えながら登るK子は無口なおばあちゃんになっていた。

時間も押してきているので急ぎ足で残りのピッチを終え一般道に合流した。
私が山頂に行くかを確認するとこれまだ無口だったK子は振り絞るような声で『行かない』と。私の思いとしてはサトちゃんは初めての主稜登攀だったので山頂まで行かせたかったのだが当の本人もそこにこだわりはあまりないような雰囲気だった。

後で、聞いた話だが、ちんちゃんは何も言わず赤岳山頂方面に身体を向けていたようだ。
素晴らしい。私はその話を聞いてちんちゃんに男を感じられずにいられなかった。

それを阻止したのはきっとDai だと私は思っている。

一般道に出てしばらく進み風の当たらない場所で小休止をとる。
白湯が美味い。いつも思うことだが白湯がうまいと感じられるのは厳冬期の山の中だけだ。まぁ、普通の生活をしていて白湯を飲む事もないのだけれど。

全員合流しサトちゃん、ちんちゃんの初登攀の健闘を讃え握手を交わす。
二人ともとてもとても良い顔だった。いつも思う事だがそういうシーンに一緒に居られる事を私はとても嬉しく感じる。

そんな感動的なシーンにいながらでも、K子は自身の今日の不甲斐なさから冬のアルパインはもう卒業すると言っていた。




日も暮れ始めてきたのでいつまでも感傷には浸ってはいられない。
地蔵尾根を使い下山する。

鉱泉に戻ってきたのは17時を少し回った頃だった。

テントに戻るとTちゃん、Mちゃん、Rieが笑顔で出迎えてくれた。

忘れていたが、はたちゅうもいた。

はたちゅうは誰にも何の連絡もせず一人で来ていたようだ。ただ一人を除いては、そんなサプライズには全く期待していないので今後はやめてほしいものだ。ただ、はたちゅうファンのTちゃんだけは嬉しさを隠しきれない顔をしていた。

テントに入り皆んなで鍋を囲めば宴は始まる。

とても素敵な時間だ。気の合う仲間と山で飲む酒は本当に美味い。本当は少しでも長くこの時間を味わいたいのだが酔いと疲労におじさんは太刀打ちできず夢の中へいってしっまた。

31日

4:30 起床

本日は阿弥陀岳北陵だ。
話の流れで急遽、はたちゅうも参加する事となった。

サプライズ感を出してやってきたはたちゅうだが結果的には我々からサプライズをもらったのははたちゅうだったようだ。

そんなサプライズを言い出したのは私だが面倒を見るのは当然のようにサトちゃんになった。
私がサトちゃんにいつも面倒な事を押し付けているようにサトちゃんは感じているかもしれないが、そういうつもりはないので誤解しないようにしてほしいと私は心底思う。

これもサトちゃんの経験を高めるために必要なステップと思って取り組んでもらえれば幸いだ。

Rieに朝食を用意してもらい皆んなで食べた。少々雑な奴だがRieが作ってくれる飯はいつも美味い。感謝している。

6:30 各自登攀の準備を済ませ出発。

Daiたちはこの日下山なので年末の挨拶をし、我々は見送ってもらった。

昨日も歩いた中山乗越を越える。

行者小屋で小休止をとり北陵取り付きを目指す。
昨日とは打って変わってK子の調子が良さそうだった。それにひきかえサトちゃんの調子は最悪のようだった。


本日のパーティー編制は、『Tちゃん、Mちゃん、私。』『K子、Rie。』『サトちゃん、はたちゅう』の3隊だ。

分岐地点で行動予定を確認しJPを目指す。

ここから先は各パーティーで行動する。



私はTちゃん、Mちゃんと共に先行した。私に遅れることなくついてくる2人。先週、伊吹山へ2人と行ったのだがその時のMちゃんとは別人のようだった。

伊吹山では、ふざけたサングラスを掛けていたMちゃんだが今日は掛けていない。
それだけ今日の山行には真面目に取り組んでいたのだろう。やはり気持ちが入っていると身体はよく動くものだ。あっという間にJPに到着した。

ザイルは出さず1ピッチ目に取り付く。
途中まで進みやはり二人の技量を考えると出すべきだと感じザイルをだす。

Mちゃんはザイルがあってもなくてもあまり動きに変化を感じられないがTちゃんはザイルをだすと動きが大きくなって登攀が安定する。

Tちゃんはメンタルが少々弱い。Mちゃんは少々ネジが緩んでいる。足して2で割ると丁度良い感じになるのでは?と、密かに私は思っている。

第2岩峰に到着。
先行パーティーがいるので小休止をとりがてら待機する。
ついでにルートの説明をし再度復習を兼ねて登攀の為のポイントを伝える。

岩峰に取り付きザイルをのばす。2人も続く。もう少し苦労してくれると私は見ていて面白いのだが予想以上に2人とも安定した登攀だ。少々がっかりだ。

それでもTちゃんはギリギリの登攀だったと言っていた。
登攀中はMちゃんに『ほらそこ!そこが持てるでしょ!』なんて言われながら登っていたようだ。そんなことを言っていても私が見ている限りラブラブな登攀にみえたのだが。笑


Tちゃんもザイルの扱いがだいぶ慣れてきたようでザイルを裁く姿はすっかりアルパインクライマーだ。

短く楽しい登攀はあっという間に終了。

ザイルを外して残りの雪稜を少し歩けば阿弥陀岳山頂だ。


Tちゃん、Mちゃんは初阿弥陀岳。
初阿弥陀岳が北陵からとは格好が良い。次はどこを狙うんだろうか。

山頂では握手を交わし初阿弥陀岳登頂を称えあった。
前日もそうだがやはりこの瞬間は感動的なものがある。

名残惜しいが予報どうり天候が崩れてきているので早々に下山を開始した。

毎回思うのだがこの時期の阿弥陀岳は一般道で下山する時が一番危険な気がする。
今回も雪が少ない為歩きづらい。登攀中より色んな意味で気を使う。

そんな時ふと北陵側に目をやるとサトちゃんとはたちゅうが1ピッチ目の取り付きあたりにいた。

はたちゅうのバテ具合は容易に想像できた。

『すまん。サトちゃん』と、思うと同時に不甲斐ないはたちゅうにイラつき喧嘩でもしてるんじゃないかと少し心配になった。

あんなに憧れていた冬期バリエーション。あんなに行きたがっていた阿弥陀岳北陵に思わぬサプライズで行けたはたちゅうだったが辛すぎて何がなんだかわからない間に終わってしまったらしい。

冬期バリエーションと言っても阿弥陀岳北陵はアプローチも良く距離も短い初級中の初級だ。

もっとしっかりトレーニングして山を楽しむ余裕を持ってほしいものである。

K子も前日とは違い良い登攀をしている。Rieのビレイに文句をいう余裕さえあったようだ。

11:30 鉱泉到着。

すぐさま宴の準備に取り掛かる。

この年末年始は大勢の知り合いがこの場所に集まる。
我々は8人用の大型テントを張っていた。テントが大きいと嬉しいことに皆んなが遊びに来てくれる。重たい思いをしてでもやはり上げる価値がある。
私にとって久しぶりの再会は最高のつまみだ、本当に酒が美味い。



この2日間で我々のテントの前にはありえないほどの空き缶と空き瓶の山だ。
缶と瓶が空になった分だけ私達の思い出は増える。

明日は美濃戸までの下山だけなので心ゆくまで宴を楽しむ。

なんども言うが、気の合う仲間と山で飲む酒は本当に最高だ。
最高の仲間たちと最高の山に感謝して今回の山行記録を結びにしたい。



実は今回で年末年始の恒例八ヶ岳は最後にするつもりだったがおそらく今年の年末も行くことになりそうだ。年越し山行にはこの場所が色んな意味で私には最高なのかもしれない。

サトちゃん。自身の弱い部分を見つめ直しより高みを目指そう。そして月一の約束を私は忘れてはいない。

はたちゅう。今年は新しい目標をたて、しっかりとトレーニングして一緒により高みを目指そう。みんないろいろ言ってはいるがお前のことが好きなんだよ。

Rie。いろいろ、もう少し頑張れ!

K子。まだまだ引退には早い。後進の指導を頑張って欲しい。

Tちゃん。メンタル強化合宿を予定しよう。

Mちゃん。雑さが増してきている。

今年も一年、事故のない楽しい山行を仲間達と一緒におくれることを期待し、努力します。













































































4 件のコメント:

  1. そのとーり、阻止したのはワシです(笑)
    最高の年末山行でした。感謝です。
    今年も一緒にエロエロな山に登りましょう☆
    よろしこ。


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  2. テントでみんな雑だった!!笑笑
    楽しいメンバーでの年末年始は本当に最高でした(^^)
    今年もお世話になりま~す!(^-^)ゝ゛

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    返信
    1. できればこれ以上は雑にならないで下さいwww

      削除

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